WizとMac Millerに続くのは誰だろう、そんな風に探そうとしたところに登場したのが、The 58'sと、その名を冠したストリートアルバム"The 58's"だった。
The 58's / The 58's
Download
ソウルフルなサンプリングサウンド、ときに太く重く、ときに軽やかに流れるビート。Statik Selektahや9th Wonderがそうしたように、90'sを彷彿とさせ、進化させたループは聴く人を選ばない。刺激的でSwag全開のビートを追う向きも抗えないであろう、力強さも感じる。
集団芸の粋を詰め込んだマイクリレーはもちろん、曲ごとに代わる代わる登場するラップもまた、カラフルで飽きさせない。
JENESIS Magazine Interviews: The 58's from JENESIS Magazine on Vimeo.
このインタビューを見ると、あくまでソロのタレント集団であることが強調されている。マイクを握るのはB.White、Vinny Radio、Franchise、Mayo、Ghosty、Primavera Villsの6人。正直、数回聴いて聴き分けられるほどの個性は見つけられてないが、裏返せば(好意的解釈だけど)、レベルの高いトラック群の空気を壊すことない、基礎体力がしっかりしたラッピンを聴かせてくれている、とも受け取れるか。
トラックメイカーはBig JermとP.Fish(2人は"On The Board"って紹介のされ方。これカッコいい)。Big JermはMac Millerの"Best Day Ever"のほとんどの曲でクレジットされてたId-labsの一員みたいで、Hood StarのWizやMac Millerとも共演済み。2人ともネタを料理する腕前は確かなものがあり、アベレージの高さもあるんだけど、時に大ネタで個性的なアレンジを聴かせてくれたりと、現時点ではMCの6人よりも、今後、名前を見かけることが増えそうなようすだ。
自認していたり、彼らを紹介するサイトにWu的な存在として書かれていたりと、個の集団としての"The 58's"は、2010年がリリースラッシュだった、下に並べたそれぞれのMixtapeで改めて確認できる。The 58's名義のアルバムで感じられたムードとアベレージの高さは残しつつ、それぞれに若干の個性と粗さが残っていて、聴き比べが楽しい。
The Foundation / Vinny Radio
Download
ラップがちょっとラキムっぽい。弾きとサンプリングの混ざり具合、ソウルフルな雰囲気が9th Wonder調。
The Mon Valley Miracle / Mayo & B. White
Download
跳ねるトラックが多く、WeeBeeFoolishとかJ-Treds、Arsonistsあたりを想起させるNYアングラオリエンテッドな雰囲気。
Henny & Haze / Franchise
Download
DJのタグも入ってて、スクラッチも結構入ってし、ある意味いちばんミックステープ然としてる。"In Side Of Love"を華麗に料理した"Midnight"をはじめ、ノスタルジック誘う。
UPS Is Hiring / Ghosty
Download
最近の曲をジャックしてたり、いろいろやろうとしてる割には特徴みつからない。ちょっと地味。
The 58's。
グループで名を上げるか、個が化けるか。
なんにせよ、"Black and Yellow City"の注目株、チェックしといて損はない。
余談だけど、Mac Millerが各ソロ作にちょいちょい顔を出してるところを見ると、彼らとの関係は、ブレイクの有無こそあれど、年齢考えれば同志、もしくはThe 58'sのほうが先輩だとしてもおかしくない。曲の趣味なんかは似てると思うし。ld-labsともども、ピッツバーグ、まだまだ盛り上がるかも。
The 58's twitters are...
@BWhite58s
@Mayo58s
@412sFranchise58s
@VinnyRadio
@PrimaveraVills
@Ghosty58s
@SwisherPFischer
@bigjerm412
No comments:
Post a Comment